2016年 01月 10日

「 夜がらすの記 」 川崎彰彦


大阪 水無瀬の 長谷川書店の長谷川さんから、
粥彦さんが好きそうな小説ですよと貸していただきました。

実は、古書でもなかなか手に入らない貴重な本なのです。

さっそく、読みました。

著者とおぼしき 青西敬助 が、大活躍し「ない」私小説です。
彼は、いつも何をしているかというと、お酒を飲んでいます。
本職(?)は、小説や詩を書いたりするひとです。


大変な貧乏暮らしなのですが、どこからか光をかんじます。
鳥や虫や植物に向けたやさしいまなざし。
それから、個性きつすぎる愛すべき人びととの交流。
日本社会の寒々しさを突き放す独立した態度。

ユウモアあふれる筆運びで、一度読むと著者に親しみを感じました。

川崎さんは、奈良公園の浮御堂近くで暮らしていたこともあるようです。
晩年は、大和郡山で過ごされたようで、奈良に縁のある方でもあります。


最後に一番オモシロかった部分をご紹介。

作家というと、やはりなんとなく職業上の肩書めくが、
詩人というのは、むしろ、その人物の性情を示す、肩書とも言えないような肩書で、
空想家とかヒマ人とかいうのに似ていると思う。
だから、ろくに詩を書かなくても、詩人といわれた方が気がらくなのだ。

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by kayu_hiko | 2016-01-10 16:14 | 書籍ノ事 | Comments(0)


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