2017年 02月 18日

雀餅 散文詩



雀餅



あの公園なあ。あっこには行かん方がええで。昼飯もゆっくり食べられへんし。パンなんか食っとってみいや、パンどころか、からだのやわらかい部分までつついてきよるがな。ええかげんにしとかなゆうてもきっきよらへんがな。

瓢箪山在住の友人カナトコ氏はそう言って悲しんだ。セーターは七ヶ所ほどほつれ、耳たぶには血が滲んでいた。しくしくとカナトコ氏は泣き、セーターを脱いで「これはリサイクルしよう」と呟いた。

わたくしは、カナトコ氏の悲報に笑いをこらえていた。というか、「もうこれで五度目でしょ、いい鴨にされてるだけですよ、というかその公園行くのやめえ」と教えてあげたかった。

しかし、当時も今もわれわれは友人なので本音は言わず、表面上の付き合いに徹していた。そして彼への慰問の印として雀餅を献上した。「うほーい」と歓喜するカナトコ氏単純。

むしゃり、むちゃり。十二個の雀餅を食べ尽くしたカナトコ氏はご満悦。何かやり返した気になったカナトコ氏はあの公園のことをすっかり忘却。わたくしの雀たちは至る所でカナトコ氏を気持ち良く征服している。理由もなにも無いのだけれど。







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by kayu_hiko | 2017-02-18 17:44 | 作品 | Comments(0)


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