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2017年 02月 26日

のほほんとほん 3かいめ と 新詩集『光ったり 眠ったりしているものたち』の展示


奈良・大和郡山市の本屋「とほん」で、
新詩集『 光ったり 眠ったりしているものたち 』の出版にあわせて、
西尾勝彦の詩と、
装丁画と挿絵を担当した安福望の原画イラストの展示をします。
ぜひ、お越しください。

日程 2月24日〜3月22日 11時から17時 (定休日 木曜、祝日)
場所 とほん (大和郡山市柳4−28)

恒例(?)のトークイベント「のほほんとほん 3かいめ」も開催します。
とほん店主と西尾が本の話などをして、後半は詩の朗読をする予定です。

日時 2月25日(土)午後6時から(1時間ほどです)
場所 とほん

参加費 1200円(豆パン屋アポロさんのパン付き)
    差し入れ、飲料持ち込み歓迎です
要予約 メール tohontohon☆gmail.com (☆=@)
    電話 080−8344−7676


《紹介文》
西尾勝彦(にしお かつひこ)
詩集『フタを開ける』(書肆山田)、『朝のはじまり』、『言の森』、『耳の人』(ブックロア)
非実用本『のほほんのほん』、『さとりの手帖』(私家版)、旅人と詩人の雑誌『八月の水』編集人
フリーペーパー「粥彦」発行人

安福望(やすふく のぞみ)
短歌が好きで一日一枚、短歌の絵を描くイラストレーター
短歌と絵の本『食器と食パンとペン』が発売中
柳本々々さんとの共著『きょうごめん行けないんだ』がそのうちでます
ツイッター@syokupantopen
ブログ http://syokupantopen.jugem.jp/







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by kayu_hiko | 2017-02-26 09:00 | 日々ノ呟キ | Comments(0)
2017年 02月 25日

栞日 トークイベント と 詩とイラストの展示『 光ったり 眠ったりしているものたち 』


長野・松本市のブックカフェ「栞日」で、
私の新詩集『 光ったり 眠ったりしているものたち 』の出版にあわせて、
詩と、装丁画と挿絵を担当した安福望の原画イラストの展示をします。
さらに、出版社「ブックロア」のフェアも行われます。
ぜひ、お越しください。

日程 2月25日〜3月12日 8:00-18:00 (定休日 水曜日+不定休)
場所 栞日 (長野県松本市深志3-7-8)

トークと朗読のイベントを開催します。
ブックロアの中島、栞日店主菊地、私 西尾の3名が本作りの話などをします。
すこし休憩を挟んで後半は、詩の朗読をします。

日時 3月11日(土) 開場 17:30 開演 18:00から(1時間30分ほどです)
場所 栞日
参加費 1000円(+ワンドリンクオーダーをお願いします)
要予約  mail info@sioribi.jp
電話 0263−50−5967


《紹介文》
西尾勝彦(にしお かつひこ)
詩集『フタを開ける』(書肆山田)、『朝のはじまり』、『言の森』、『耳の人』(ブックロア)
旅人と詩人の雑誌『八月の水』編集人、フリーペーパー「粥彦」発行人

安福望(やすふく のぞみ)
短歌が好きで一日一枚、短歌の絵を描くイラストレーター
短歌と絵の本『食器と食パンとペン』が発売中
柳本々々さんとの共著『きょうごめん行けないんだ』がそのうちでます
ツイッター@syokupantopen
ブログ http://syokupantopen.jugem.jp/








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by kayu_hiko | 2017-02-25 09:00 | 日々ノ呟キ | Comments(0)
2017年 02月 18日

雀餅 散文詩



雀餅



あの公園なあ。あっこには行かん方がええで。昼飯もゆっくり食べられへんし。パンなんか食っとってみいや、パンどころか、からだのやわらかい部分までつついてきよるがな。ええかげんにしとかなゆうてもきっきよらへんがな。

瓢箪山在住の友人カナトコ氏はそう言って悲しんだ。セーターは七ヶ所ほどほつれ、耳たぶには血が滲んでいた。しくしくとカナトコ氏は泣き、セーターを脱いで「これはリサイクルしよう」と呟いた。

わたくしは、カナトコ氏の悲報に笑いをこらえていた。というか、「もうこれで五度目でしょ、いい鴨にされてるだけですよ、というかその公園行くのやめえ」と教えてあげたかった。

しかし、当時も今もわれわれは友人なので本音は言わず、表面上の付き合いに徹していた。そして彼への慰問の印として雀餅を献上した。「うほーい」と歓喜するカナトコ氏単純。

むしゃり、むちゃり。十二個の雀餅を食べ尽くしたカナトコ氏はご満悦。何かやり返した気になったカナトコ氏はあの公園のことをすっかり忘却。わたくしの雀たちは至る所でカナトコ氏を気持ち良く征服している。理由もなにも無いのだけれど。







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by kayu_hiko | 2017-02-18 17:44 | 作品 | Comments(0)
2017年 02月 16日

『光ったり 眠ったりしているものたち』刊行によせて


 前作『耳の人』より3年、新たな詩集『光ったり 眠ったりしているものたち』をブックロアより刊行することになりましたのでお知らせします。


 私は、10年前の2007年秋頃より詩を書き始めました。春日山原始林の麓に移り住み、1年が経った頃でした。この美しい風景、雰囲気を、より多くの人たちに知ってもらいたいとペンを執りました。折りよく、美術作家の永井宏さんが詩の通信ワークショップを始められたので参加しました。永井さんのアドバイスは簡潔でしたので、気持ちよく書き続けることができました。3年ほどお世話になり、その間に『大きな鯨』(2008年・私家版)、『フタを開ける』(2010年・書肆山田)、『朝のはじまり』(2010年・ブックロア)などを刊行しました。残念ながら、永井さんは2011年に亡くなられました。当時、追悼として「羽」という作品を書きましたが、ようやく今回、収録できました。少しは恩返しができたかもしれません。


 ブックロアから最初に出版した『朝のはじまり』は、予想以上にじわじわと売れ続け、第二刷も在庫が無くなりました(といっても合わせて600部ですが)。詩集は売れるものではなく、身内で献本し合うものらしいのですが、私はそういった閉鎖的な現状に疑問を持っています。詩集が、もっとふつうに書店に置かれて、人々が読んで楽しめたらなあとずっと願ってきました。といいつつも、前作『耳の人』は、シンプルすぎる装丁、小さすぎる文字、何も起こらない内容等、ふつうでは「ない」本作りをしてしまい、私自身も揺れているところですが……。


今作『光ったり 眠ったりしているものたち』では、これまで以上に開放的な内容と装丁を心がけて作ってみました。まず、表紙画・イラストを安福望さんに依頼しました。安福さんは、短歌とイラストの本『食器と食パンとペン』やツイッターなどで人気のイラストレーターです。親しみやすさと、のほほんとした雰囲気のイラストは詩の内容にぴったり合っていると思います。また、ようやくISBNコードを取得し、流通に乗るようにしました。


目次は、以下の通りです。29作品あります。そのうちの9作品には安福さんのイラストが添えられています。


半笑い / とうふの人 / お互い / 西 / 骨の声 / ひょうたん / 猫師 / あなた / 台湾の屋台( 老詩人の話 其の三) / タコの話 / 羽(追悼 永井宏) / こたつ主義とは何か?  / 月町 / ゆらゆらとほん / 処世術 / 無意識(たましい) / 純粋な空 / クリーム / バイエル / 言祝ぎ(ことほぎ) / 散歩屋さんのはなし / 扇風機同盟の夏 / ひと呼吸 / すず / のほほん製作所1 / のほほん製作所 2 / 「しかせん」を売る / 夏の姿 / 誰もいない












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by kayu_hiko | 2017-02-16 14:20 | 日々ノ呟キ | Comments(0)
2017年 02月 12日

土塊 (つちくれ)


土塊(つちくれ)

わたくしの頭のなかに蒔かれた種。その大部分はそのまま土に返ってしまった。掘り返しても土塊と見分けがつかない。種は、種を失ったのだろうか。

不意に、死んだらどうなるのだろう。という問いが土塊からなされる。て淋しいね、とわたくしは答える。その問い自体が淋しくって仕方がない。土塊は黙る。黙らないでほしい。

土塊はわれわれの死者をすべて受け入れてきた。死者の呼吸が土塊であり、死者の栄養が土塊であり、死者の存在が土塊である。最も死者を知るものは土塊なのだ。

そのくせ土塊はわたくしに問う。死んだらどうなるのだろう。問いの中に、いやあなたの中にすでに答えがあるではないか、土塊よ。

生きている者は、滑稽なだけ。わたくしは幾人かの死者の眼に晒され動かされている。何故なら死者を裏切ることは決してできないからだ。

完黙の土塊は死者を丁重に扱い続けてきた。わたくしは死者と一体化した土塊が怖い。わたくしはわたくしの死者に操られている。

やはり新しい種を蒔こうと思う。そう思い直したわたくしは静かに種を手にふくませた。種蒔くわたくしの姿は、祈りの儀式にも似ていた。



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by kayu_hiko | 2017-02-12 19:24 | 作品 | Comments(0)
2017年 02月 10日

あれ 散文詩


あれ


坂の町でシャーマン レレナさんと落ち合う。純喫茶ボンは、急斜面にしがみついたもののその後の対応はしきれずテーブルが若干傾き、わたくしのビックボールペンが今にもジャンプする気配だ。

三分で出てきた珈琲二つも速やかに零れテーブルが黒く潤って気持ちがいい。どういうシステムのお店なのか肝心の所が掴めないが、自分のシステムも二〇〇七年に破綻したままなので口を噤む。

頼んでいたミックスサンドは、星三つの風貌だった。ふわふわ卵サンドとさきさきと声が聞こえるハムレタスサンド。テーブルに載せられると物凄い勢いで落下した。

シャーマン レレナさんは、目の前の過剰な出来事に一切関心を持たず、しんと下を向いたままだ。何で落ち合ったのかさえレレナさんには興味がなかろう。珈琲二つを追加注文した。

レレナさんは再び零れるはずの珈琲が運ばれてくる前にぽそりと言った。「この店には、いるわ」「なにが」「あなたとあれが」「なに言ってるの、僕は関係あるまい」「あなたが主犯!」「はい、僕とあれがやりました」と勝手に口が動いたやめて下さい。

わたくしとあれは入店と同時に不自然な同期を始め異常な波動を空間に与えていた。わたくしの破綻したシステムの残滓が純喫茶ボンの些少な傾きによって息を吹き返したのだ。馬鹿げているがそれがわたくしのシステムの初期設定なのだごめんなさい。

店を出るとレレナさんは優しくなった。「もう大丈夫よ」。われわれは夕暮れの坂を下った。レレナさんはさっきから、ほほ笑んでいる。彼女はわたくしを含む世界のすべてを愛しているようだ。わたくしは。どうなのだろう。




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by kayu_hiko | 2017-02-10 15:18 | 作品 | Comments(0)
2017年 02月 09日

サンチョ (散文詩)



サンチョ

わたくしの住まいはほぼ鹿さんの居住地域と重なっている。入居当初は鹿さんたちの手荒な歓迎を受けたがすぐに忘却された。椿の花が一番の好物。これは鹿さんの秘密。

一匹だけ馴れ馴れしい鹿さんがいてサンチョと呼んでいる。サンチョはよく笑う。わたくしの言動、挙動、運動の全てが可笑しいと笑う。サンチョの角はカーブを描いて、とんがり。

ある朝、家の前にサンチョが佇んでいた。黒っぽいタクシーのようにも見えた。「おはよう」と言うと「お乗りなされ、奈良駅まで送りまする」と有り難い古い言葉。サンチョの口に椿を放りこんでやった。

ところが、というより、予想通りサンチョは森へ入ってゆく。「こらこら」と言うと「ほれほれ」と相槌を打つ。「こらこら」、「ほれほれ」、「こらこら」、「ほれほれ」。奥へ奥へと入ってゆく。

われわれの可笑しな運動。これぞ人鹿一体のちぐはぐさである。この運動に森の神様がうんざりしたからか、サンチョの馴れ馴れしさが度を超えたからか、時空の裂け目に入ってしまった。しかし、わたくしにはよくある事。一刹那、赤い蝶の大群を見た。

奈良駅前にサンチョの姿は無かった。広場の鑑真和尚はずぶ濡れになって笑っている。修行も大変だ。お、和尚の頭上に赤い花。あれはきっとサンチョの忘れ物。





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by kayu_hiko | 2017-02-09 10:21 | 作品 | Comments(0)
2017年 02月 07日

染井吉野 散文詩



散文詩


染井吉野


水路沿いの空地に染井吉野が一本咲いた。わたくしは、わたくしを脱ぎ捨てて呆然と花を見ていた。錆び付いた自転車を漕ぎ漕ぎ漸く小さな幸せに辿り着いた。そりゃ、眼鏡も光るはずだ。

脱ぎ捨てられたわたくしは、思うようにふくらみを保てず眠っているみたいだ。でも、胸のあたりが凹んでは凹み、もう後がないのかもしれない。脱皮した方のわたくしは、手を合わせた。

満開の染井吉野の花びらがわたくしの襤褸自転車と噂話をしている。内容までは聴き取れないが、わたくしの来し方行く末を案じているようだ。ああ、もうすぐ眼鏡から鳩が出そうだ。

ぼろりん、と出てきたのは雀だった。いつも間違いだらけだがそれにも慣れた感じ。わたくしの肩に乗っていただき、一緒に染井吉野を眺めていた。

帰り際、眼鏡が消失していることに気づいた。仕方なく、裸眼のわたくしと錆び付き自転車は歩くことにした。花びらで埋め尽くされた水路沿いの道。それも小さな幸せであった。







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by kayu_hiko | 2017-02-07 20:26 | 作品 | Comments(0)
2017年 02月 05日

17歳になった息子へ

17歳になった息子へ

君は
21世紀を
生きている
でも時代は
まだ20世紀を
引きずっている
古い
というより
危ない価値観が
まだ至る所に潜在している
精神の自立を目指し
新たな
というより
優しい価値観に
想いを込めて
生きていってほしい

誕生日おめでとう










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by kayu_hiko | 2017-02-05 14:47 | 日々ノ呟キ | Comments(0)
2017年 02月 05日

立春

立春

奈良の光は
眩しくて
鹿も
人も
目を細め
にこやか

二月堂の
石畳は
お水取りの賑わいを
待ちわびている

ささやきの小径の
馬酔木(あしび)
小さな蕾たちは
列をなして
春を待っている

今日は
奈良日和
明日は
やさしい雨が降りそう


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by kayu_hiko | 2017-02-05 14:45 | 日々ノ呟キ | Comments(0)