詩集『歩きながらはじまること』刊行記念朗読会のご案内です。


東京、大阪、奈良でトークと朗読のイベントを行います。

お時間ございましたらぜひお越し下さい。



東京 七月堂古書部
3/24(sat) 18 : 00 start 参加費1000 yen
満席となりました。

ありがとうございます。

京王線・京王井の頭線 明大前駅より徒歩2 分




大阪 blackbird books
3/31(sat) 18 : 00 start 参加費1000 yen   
ご予約
info★blackbirdbooks.jp or 06-7173-9286 (★=@)
御堂筋線 緑地公園駅より徒歩5 分




奈良 とほん

「のほほんとほん 4かいめ」
4/14(sat) 18 : 00 start 参加費1300 yen (パンと飲みもの付き)
ご予約 tohontohon★gmail.com or 080-8344-7676   (★=@)
近鉄郡山駅からのんびり歩いて10 分





各店舗へのメールでのご予約は、「お名前・ご連絡先・人数」を明記のうえお送りください。
返信をもってご予約完了とさせていただきます。




それぞれのイベントの後には、懇親会がございます。
お気軽に話しかけて下さいね。










●● のほほん社通販 ●●


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by kayu_hiko | 2018-02-22 10:27 | 歩きながらはじまること | Comments(0)


文字 

             
土という文字を
眺めていると
怖くなる
上の部分「十」が
下の部分「一」に
突き立てられた
墓標に見えるからだ


土 土 土 土

 土 土 土 土

土 土 土 土

 土 土 土 土


こうやって
たくさん並べてみると
墓地に見える
地面の下には
いくつもの
死体が埋まっている
そもそも
土は
あらゆる生命の還る場所なので
無数の墓場でもあるのだ
実際に
墓標は見えないが
文字にすると
それが現れる
ひとつの文字が
隠された真理を示している
ひとつの文字が
淋しい空想を呼び起こす







【余談】

文字は
不思議だと思いませんか

文字そのものに
意味もありますが
見ようによっては
自分だけの
別の意味を思い浮かべることもできます

特に漢字は
謎めいています

どうやら
中国古代の呪術から
漢字は使い始められたそうです

なるほど と
納得しました

そもそも
深い意味が
込められている漢字は
現代にも
問いかけを投げかけています

意味はそれだけか?



































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by kayu_hiko | 2018-02-06 06:00 | 歩きながらはじまること | Comments(0)


光の作りかた(老詩人の話 其の一)     


先月
出会った老詩人は
次のようなことを
ぼくに語った
 
 詩を作ることは
 いくつもの言葉に光を与え
 それらを星として空に眺め
 未知の星座を見つけるようなものだ
 
 なるほど と
ぼくは納得し
十日ほど
夜空を眺めてばかりいて
何も書けなくなった

今月
老詩人を訪れ
そのようなことを言うと
彼は
かすかに微笑み
 まず言葉に光を与えなさい と
指摘した
 その通り と
ぼくは思い
光の作りかたを空想して
三十日が経過した






【余談】

老詩人は、誰ですか? と
聞かれたことがあります

老詩人は
います とだけ
答えました

どこに住んでいる人ですか? と
聞かれました

僕のこころの中に と
答えました












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by kayu_hiko | 2018-02-04 06:00 | 歩きながらはじまること | Comments(0)


生まれて初めて      


四月
堤防へ上ると
黄色のおだやかな氾濫
河川敷に降りると
菜の花が
咲いている
揺れている
生きている
近づくと
温かい薫りに
ほどかれる
ゆっくり
川沿いを
歩いていると
眠たくなった
こんなことは
生まれて初めて






【余談】

もう2月
というよりやっと2月になりましたね

ことしはさむいです

でも
もうすぐ立春なのです
春はすぐそこ
と思いたいです

この作品は
3月と思っていたら
4月でしたね…
うーんまだ先…

僕の実家の近所に
大きな川が流れています
その堤防といいますか
河川敷がのんびり広くて
菜の花が
暖かな春に咲き乱れるのです

 
咲いている
揺れている
生きている
 

という
韻をふんだ
繰り返しが
眠気をさそいますね

思い出すだけで
眠たくなる










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by kayu_hiko | 2018-02-01 06:21 | 歩きながらはじまること | Comments(0)


現代の昔話   



のっぺりとした
ならまちの西に
坂道が現れる
その途中
陰陽町
いんぎょうまち
と読むらしい
いわくありげなその町に
目立たない神社がある
開け放たれた扉から
鄙びたお社が見える
赤い鳥居や大木も無く
まずしく
やさしい空気を感じる
お腹を空かせたように
二匹の狛犬は痩せている
でも
なぜか笑っている
右側で
「阿」と口を開けて大笑い
左側で
「吽」とニンマリ笑っている
初対面の私にも
非常に友好的な狛犬たちだ
こっちも釣られて微笑んでしまう
その時は
お賽銭も入れずに願い事をした
しばらくしてそれは叶った
今回は
十円玉二枚で願い事をした
それもすぐに叶った
ほんとうの話である
現代の昔話である







【創作の余談】


奈良に「ならまち」と呼ばれる地域があります。

といっても、正式の地名ではなく
「だいたい元興寺の、あのあたり」というテキトーな感じです。

同じような言葉に「奈良公園」があります。
これも、決まった区域はないのです。
「だいたい鹿のいる、あのあたり」です。

線引きをしっかりしないところが
奈良のゆるさを象徴しているようにおもいます。

昔、東大寺と春日大社がお互いの境界線をめぐって喧嘩したらしいのですが
それが現在の恒例行事、若草山の山焼きにつながっているそうです。
山焼いても何も解決しないとおもうのですが
線引きをしっかりしようとすると
ろくなことがないと奈良の人たちは知っているのでしょう。

そうそう「ならまち」でした。

「ならまち」は、迷路です。

もう、十五年ほど以上前になりますが
一時期ならまちに住んでいました。
路地のどん突きの平屋でした。
時間があれば、幼子と一緒に歩いたり
自転車に乗ったりしながらならまちをうろうろしていました。

当時は、今の五分の一ぐらいの観光客しかいなかったと思います。
まだまだ古い建物や妖しげな人もいて別世界の雰囲気を残していました。
近所に開店したばかりのカフェ「カナカナ」があって
店主はブラジル音楽のレコードをのんびりとかけていました。
現在は、大人気店になって行列ができています。

そういえば
「カナカナ」の隣に「ならまち文庫」という古本屋があって
よく行っていました。
良い本が安くて
店主が「人生の楽園」にテレビ出演したり面白かったです。
店主は後に
河瀬直美監督の「殯の森」に主演されました。
それにしても
閑散としていて
文化的で
やる気のあまりない「ならまち」らしいお店でした。

作品で紹介した小さなお社は
ぜひ見つけて下さい。
そして
にっこりにんまり笑っている狛犬さんたちに出会って下さい。
変わらない、ならまちの笑顔です。








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by kayu_hiko | 2018-01-31 10:23 | 歩きながらはじまること | Comments(0)



ひとりたのしむ     


朝の光を
独り楽しむ

猫の寝言を
独り楽しむ

庭の仕事を
独り楽しむ

団栗並べて
独り楽しむ

野草の花を
独り楽しむ

苔にさわって
独り楽しむ

手紙を書いて
独り楽しむ

山の小径を
独り楽しむ

鹿の眠りを
独り楽しむ

木陰の風を
独り楽しむ

真昼の月を
独り楽しむ

雲と歩いて
独り楽しむ

森の孤独を
独り楽しむ

丘に座って
独り楽しむ

夢を忘れて
独り楽しむ

今日いちにちを
独り楽しむ




朝のはじまり』より





【 創作の余談 】

僕は、画家の熊谷守一が好きなのですが、
彼は、風貌が神さま、仙人のようだったので、
晩年の姿が『独楽』という写真集に収められています。
(守一ファンなら必ず手に入れて下さい…)

お爺さんの写真集なんて、聞いたことがありませんが、
たいへんな影響を僕は受けました。

そのひとつが、独楽、つまり「独り楽しむ」です。
熊谷さんは、石ころひとつあれば、私はそれでずっと楽しめます、
という言葉を残しています。

そういうのいいなあ、と思った僕は、
「ひとりたのしむ」のいろいろなパターンを考えていきました。
ほぼ、実際の言動そのままです。
今、読み返しても、現在も全く同じ事をしていますね……。
追加してもよいぐらいですし、
みなさんもご自分の「独り楽しむ」をみつけてほしいです。

個人的には、「夢を忘れて」という言葉が好きなのですが、
意味は、本人もよく分かりません。
ときどき、そういったことがあります。

タイトルが、なぜ「ひとりたのしむ」なのか。
たぶん、ひらがなが好きだからです。
ひらがなは、書くのも好きです。
かたちが、のほほんとしているからでしょう。








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by kayu_hiko | 2018-01-29 12:40 | 歩きながらはじまること | Comments(0)