生まれて初めて      


四月
堤防へ上ると
黄色のおだやかな氾濫
河川敷に降りると
菜の花が
咲いている
揺れている
生きている
近づくと
温かい薫りに
ほどかれる
ゆっくり
川沿いを
歩いていると
眠たくなった
こんなことは
生まれて初めて






【余談】

もう2月
というよりやっと2月になりましたね

ことしはさむいです

でも
もうすぐ立春なのです
春はすぐそこ
と思いたいです

この作品は
3月と思っていたら
4月でしたね…
うーんまだ先…

僕の実家の近所に
大きな川が流れています
その堤防といいますか
河川敷がのんびり広くて
菜の花が
暖かな春に咲き乱れるのです

 
咲いている
揺れている
生きている
 

という
韻をふんだ
繰り返しが
眠気をさそいますね

思い出すだけで
眠たくなる










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# by kayu_hiko | 2018-02-01 06:21 | 歩きながらはじまること | Comments(0)


現代の昔話   



のっぺりとした
ならまちの西に
坂道が現れる
その途中
陰陽町
いんぎょうまち
と読むらしい
いわくありげなその町に
目立たない神社がある
開け放たれた扉から
鄙びたお社が見える
赤い鳥居や大木も無く
まずしく
やさしい空気を感じる
お腹を空かせたように
二匹の狛犬は痩せている
でも
なぜか笑っている
右側で
「阿」と口を開けて大笑い
左側で
「吽」とニンマリ笑っている
初対面の私にも
非常に友好的な狛犬たちだ
こっちも釣られて微笑んでしまう
その時は
お賽銭も入れずに願い事をした
しばらくしてそれは叶った
今回は
十円玉二枚で願い事をした
それもすぐに叶った
ほんとうの話である
現代の昔話である







【創作の余談】


奈良に「ならまち」と呼ばれる地域があります。

といっても、正式の地名ではなく
「だいたい元興寺の、あのあたり」というテキトーな感じです。

同じような言葉に「奈良公園」があります。
これも、決まった区域はないのです。
「だいたい鹿のいる、あのあたり」です。

線引きをしっかりしないところが
奈良のゆるさを象徴しているようにおもいます。

昔、東大寺と春日大社がお互いの境界線をめぐって喧嘩したらしいのですが
それが現在の恒例行事、若草山の山焼きにつながっているそうです。
山焼いても何も解決しないとおもうのですが
線引きをしっかりしようとすると
ろくなことがないと奈良の人たちは知っているのでしょう。

そうそう「ならまち」でした。

「ならまち」は、迷路です。

もう、十五年ほど以上前になりますが
一時期ならまちに住んでいました。
路地のどん突きの平屋でした。
時間があれば、幼子と一緒に歩いたり
自転車に乗ったりしながらならまちをうろうろしていました。

当時は、今の五分の一ぐらいの観光客しかいなかったと思います。
まだまだ古い建物や妖しげな人もいて別世界の雰囲気を残していました。
近所に開店したばかりのカフェ「カナカナ」があって
店主はブラジル音楽のレコードをのんびりとかけていました。
現在は、大人気店になって行列ができています。

そういえば
「カナカナ」の隣に「ならまち文庫」という古本屋があって
よく行っていました。
良い本が安くて
店主が「人生の楽園」にテレビ出演したり面白かったです。
店主は後に
河瀬直美監督の「殯の森」に主演されました。
それにしても
閑散としていて
文化的で
やる気のあまりない「ならまち」らしいお店でした。

作品で紹介した小さなお社は
ぜひ見つけて下さい。
そして
にっこりにんまり笑っている狛犬さんたちに出会って下さい。
変わらない、ならまちの笑顔です。








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# by kayu_hiko | 2018-01-31 10:23 | 歩きながらはじまること | Comments(0)

●ソローの言葉

私は生活に
広い余白を残しておきたいのだ


●のほほん訳

私は日々の暮らしの中に
なんにもない時間をたくさんとっておきたいのだ


●余談
ソローさんは、午前中働いたら、
午後は、自分の時間にしておきたい、
という趣旨の言葉も残しています。

一週間に、
働く時間は20時間未満にしておきたい、
ということになります。
仕事=生活 ではないということです。
仕事 << 生活 なのです。
21世紀の日本の人も傾聴すべき意見だと思います。

なにもない時間になにをする? 
いやー、たのしそうでわくわくします。








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# by kayu_hiko | 2018-01-30 08:08 | のほほんのほん | Comments(0)



ひとりたのしむ     


朝の光を
独り楽しむ

猫の寝言を
独り楽しむ

庭の仕事を
独り楽しむ

団栗並べて
独り楽しむ

野草の花を
独り楽しむ

苔にさわって
独り楽しむ

手紙を書いて
独り楽しむ

山の小径を
独り楽しむ

鹿の眠りを
独り楽しむ

木陰の風を
独り楽しむ

真昼の月を
独り楽しむ

雲と歩いて
独り楽しむ

森の孤独を
独り楽しむ

丘に座って
独り楽しむ

夢を忘れて
独り楽しむ

今日いちにちを
独り楽しむ




朝のはじまり』より





【 創作の余談 】

僕は、画家の熊谷守一が好きなのですが、
彼は、風貌が神さま、仙人のようだったので、
晩年の姿が『独楽』という写真集に収められています。
(守一ファンなら必ず手に入れて下さい…)

お爺さんの写真集なんて、聞いたことがありませんが、
たいへんな影響を僕は受けました。

そのひとつが、独楽、つまり「独り楽しむ」です。
熊谷さんは、石ころひとつあれば、私はそれでずっと楽しめます、
という言葉を残しています。

そういうのいいなあ、と思った僕は、
「ひとりたのしむ」のいろいろなパターンを考えていきました。
ほぼ、実際の言動そのままです。
今、読み返しても、現在も全く同じ事をしていますね……。
追加してもよいぐらいですし、
みなさんもご自分の「独り楽しむ」をみつけてほしいです。

個人的には、「夢を忘れて」という言葉が好きなのですが、
意味は、本人もよく分かりません。
ときどき、そういったことがあります。

タイトルが、なぜ「ひとりたのしむ」なのか。
たぶん、ひらがなが好きだからです。
ひらがなは、書くのも好きです。
かたちが、のほほんとしているからでしょう。








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# by kayu_hiko | 2018-01-29 12:40 | 歩きながらはじまること | Comments(0)


【ソローの言葉】

むかしから
最高の賢者たちは
貧しいひとびと以上に
質素で乏しい生活を送ってきたものだ


【のほほん訳】

いにしえから
ほんとうの賢い人たちは
こころ貧しい人たちよりも
物を持たずに日々を過ごしてきたんだ


【余談】

賢者、という響き、いいですね。
懐かしい感じもします。
最近、あまり使われていない気がします。

賢い人、どんな人でしょうか。

頭のいい人でしょうか。
現代では、知識は簡単に、
かつ大量に手に入ります。
記憶装置は脳ではなく、
ネット上にあるようです。

知恵のある人、はどうでしょうか。
生きていくための知恵、
自分を活かす知恵、
人を活かす知恵。
賢者に近づいてきました。

ほんとうの賢者は、
知恵があり、
それを実行できる人だと思います。

生きていくための知恵を実行すれば、
よりよく生きていけます。
自分を活かす知恵を実行すれば、
うつくしく幸せな人生でしょう。
人を活かす知恵を実行すれば、
幸せの輪が広がってますます穏やかな日々になるでしょう。

そう、賢者は幸せを生み出せる人なのです。

そして、賢者は誰にでもなれると思うのです。
それを教えるのが、本来の教育ではないでしょうか。

急に、教育の話になりました。
つづきは、また次回にでも‥。








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# by kayu_hiko | 2018-01-28 15:44 | のほほんのほん | Comments(0)